餃子(ギョーザ)は、手作りするのが面倒、というイメージがあるかもしれない。冷凍食品のセールの日に、冷凍餃子を買ってしまえば、簡単に餃子を夕食に出せる。しかし冷凍餃子は、中身のお肉や安いがほんのちょっと入っているだけで、餃子を食べるというより、まずい皮を食べている感じがする。餃子は、家で手作りすれば、とても経済的で便利な料理であると思う。お肉も野菜もたっぷり入れてしまえば、この一品だけでその日の夕食は済んでしまう。大きなお皿に、山盛りの餃子を盛り付けて、ご飯と好みのタレを置いてあげれば、子どもたちは好きなだけ食べてお腹いっぱいになってくれる。サラダとか、スープとか、余裕があれば出してもいいが、餃子だけで子どもたちは大喜び。ちなみに以前北京出身の中国人の家庭で餃子をご馳走になった時は、「中国では朝から餃子を朝ごはんで食べます。」という話を聞いた。実際その日の朝、餃子をご馳走になった。それで日本との違いは、ご飯を一緒に食べない、ということだった。よくよく考えると、餃子の皮は小麦粉で練って作るのだから、麺と同じである。だから、餃子を食べるのに、ご飯は要らないのである。むしろ、ご飯があるとご飯でお腹がいっぱいになって、餃子をたくさん食べられない。だから文字通り、餃子さえあれば、ご飯、お肉、野菜、全てこれ一つで済んでしまう、ものすごく便利で経済的、かつ時短な料理の一つである。
なぜ、時短なのか?
時短にするにはテクニックがいる。そのテクニックは何かと言うと、餃子作りを子どもたちに手伝わせなければならない。しかし餃子ほど、子どもがお手伝いをするのに適した料理もあまりないと思う。まず、アン作り。まず、大きなボールを用意する。
1、 夕方の値引きセールで、鶏肉あるいは豚肉のひき肉を家族の人数に合わせて買ってくる。
2、 餃子といえば豚、というのは嘘で、鶏肉でもいい。そうすると、お腹にもたれないあっさりした餃子が作れる。
3、 中に入れる野菜を決める
4、 普通はニラとか、ねぎであるが、安くて栄養があるのは豆苗(トウビョウ)を入れてもいい。
5、 冷蔵庫に余って使い道に困っていた葉もの野菜をなんでも入れることができる
6、 生のまま入れるとかさばって包むのが大変な場合は、刻んでごま油と塩で炒めて小さくする。
7、 子どもにお手伝いさせるのは、ニラやネギ、セロリなど、切りやすい野菜を小さく切ってもらうところである。
8、 いつも豚肉とニラとネギだと飽きてしまうので、豚肉とセロリときくらげという組み合わせもいい。とにかく野菜はなんでもいい。なんでも入れることができる。
9、 子どもの多い家庭では分量を増やす必要があるので、その時に活躍するのが、缶詰のコーンである。何にもしないでそのままアンに混ぜることができる。
10、 さらに分量を多くする、また、食べた時の歯ごたえをよくするために、ナッツを入れるのがいい。ナッツは一袋100円で売っている、皮なしのバターピーナッツを、袋に入ったままトンカチで粉々に潰す。この時も子どもが活躍する。叩きやすいようにセットだけして、ガンガン叩くところは子どもに任せる。そして好きなだけピーナッツを振り入れる。
11、 最後に生姜やニンニクをすりおろしてパラパラと入れる。ニンニクを入れると匂いが出てしまうので、匂いが嫌な人は、これらは入れなくてもいい。
12、 ごま油と醤油、あるいは塩を適当に入れて、アンに味をつける。
13、 そして後は混ぜるだけなので、透明のプラスチック手袋をさせて、子どもにこねてもらう。コネコネすることは、子どもは基本的に大好きである。
14、 アンが出来上がったら、次はいよいよ包む番である。これまでの準備よりも、次の包む段階でのお手伝いが、最も重要な時短テクニックである。
15、 その時家にいる子どもを総動員して、餃子を包む。
16、 包み方は、一応教えるが、子どもは基本的にうまく包めないので、「時々やってるとうまくなるよ」と声をかけて、とにかくどんな形になってもいいから包んでもらう。
17、 うまく包むことができた餃子を褒めてあげると、兄弟姉妹同士で「我こそは」と競争を始める。
18、 子ども二人で包んだら、10分くらいで50個くらいは出来上がる。
19、 皮を買うときは、小さすぎるものは避けるようにする。子どもの手の大きさを考えて、大きすぎず小さすぎない皮を選ぶ。
20、 子どもたちが包むのにペースができてきたら、包むのは任せて、その間に洗い物をしたり、食べるためのテーブルやお皿、タレの準備をしてしまう。
21、 タレは、醤油と酢(黒酢でもリンゴ酢でもなんでもいい)、ごま油と唐辛子を好みで加える。安くていくらでも作れる。
22、 そして包み終わったら、「あ〜お母さん、たすかった!」と大げさに労う。そうすることで、食べる時の喜びが増す。
23、 餃子の焼き方は、フライパンに油を引き、餃子を敷き詰める。
24、 餃子の底の部分にしっかり焼き色をつけるまでは、火の強さと餃子の様子に集中しておく。焦がしてしまうと、途端に餃子の価値が減じてしまう。
25、 ある程度焼き色がついたら、その後蒸し焼きにするので、フライパンに適当な量の水を入れる。
26、 そこからは別のことをしていてもいいが、水がなくなる頃合いを図り、タイマーをかけておく。
27、 タイマーの音が鳴るまでは、箸の用意をしたり、ご飯を一緒に食べる場合は、ご飯をお茶碗によそって、食卓の準備を完了しておく。
28、 いよいよ餃子が出来上がったら、大盤のお皿にボンボン移す。
29、 そしてそのまま、どんと食卓の真ん中に出して子どもたちを呼ぶ。
よく中華料理屋で、ラーメンとかチャーハンのおまけのようにくっついてくる餃子であるが、栄養の観点からも、満足の観点からも、食育の観点からも、経済効果の観点からもラーメンとかチャーハンの比ではない。月に一度くらい、餃子の日をつくってみることをオススメする。
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