9歳の次女は、生まれた時からおっとりした性格。正期産で普通に生まれたが3月生まれのこともあり、保育園入園時から体は一番小さかった。つかまり立ちは普通に13ヶ月くらいだったが、一人でトコトコ歩くようになるのが遅かった。1歳児クラスの時は、みんなが走ってる時も、一人で先生に抱っこされている感じだった。体力はないし、すぐに風邪をひいた。幼児期に入ってからは、本人も自分が周りより小さくて、他の子達より運動ができないことを自覚していた。4歳クラスの時も、みんなが片足ケンケンで端から端まで走っていくところ、ケンケンができないから両足で飛びながらついていってた。小学校に入学する時に、「ヤワラは小学校になったら、みんなと背が同じになるんでしょ?」と聞いて来た。『小学生』になったら、急に背が伸びると思っていたらしい。6歳頃の子どもはまだこういう考えを持っている。「そんな急には伸びないんだよ。それにヤワラちゃんは、どんどん大きくなってるよ。」と説明しても、怒ってしまった。内心、とてもショックを受けていたに違いない。1年生になっても、2年生になっても、背の高さはいつも一番前だった。しかし2年生の終わりころから、背が伸びるスピードが加速して来た。それに伴って、精神的にも何だか大人になるスピードが増していくような気がした。そして3年生の初めに、我が家は引っ越すことになった。それも、東京の外れ八王子から、都会の真ん中の文京区へ。文京区の小学校へ入り、始業式から帰ってきたその日、ヤワラは「2番目になった」と、とても嬉しそうに、そして気恥ずかしそうに報告してくれた。自分より少し小さい子がいたのだ。ヤワラはそれからは多分他の子より、背が伸びるスピードが早くなり、「すごく小さい」という印象がなくなっていき、背の高さも一人また一人と後ろにずれていった。しかし3年生になっても、筋力はまだまだ弱く、他の子は自転車に乗っていたが、まだ乗ることができなかった。腕の力が弱く、自転車を保持することができないし、バランス感覚もあまりよくなかった。しかしバレエを週2回で始めるようになり変わってきた。
そして9歳を過ぎた頃に「おっぱいが痛い」と初めて胸を見せてくれたのだが、それは乳腺組織の発達の開始という第二次性徴の始まりを示していた。つまり、真っ平らだった乳頭(いわゆるおっぱいの頭の部分)の内側に、ほんの少し小さなボタンくらいの大きさで固いものが触れた。最初は小さなボタンくらいのものが、第二次性徴の進行とともにだんだん大きくなり、乳房を形成していく。『女性』となる準備を体が始めたのである。それから体に少しずつ脂肪がつき始め丸くなってきて、それと同時に筋肉も増していった。そして体力が飛躍的に増して、毎日遅くまで公園で走り回って遊んでも、一日で完全に疲労回復できるような元気な子どもになった。そしてある日、「逆上がりができるようになった」と言って、公園で見せてくれた。脚力と腕力と回転力が飛躍的に伸びたことが見てとれた。10歳になる5ヶ月前だった。
一方長女は、運動がとても得意な子だった。運動神経が人より優れていたが、筋力はなかったので、やっぱり逆上がりは小学校3年生くらいまでできなかった。だけど彼女はその代わり、5歳の時点で空中逆上がりを連続20回転くらいできていて、周囲を驚かした。空中逆上がりは、最初鉄棒に普通に乗っかって、そのまま足を地面につかないで体を後方に倒してくるくる回転する。地面から体を持ち上げる必要がないから、筋力は必要ないのである。だから長女の時は、逆上がりができるようになったことに格段の感動はなかったので、あまり観察していなかった。次女が逆上がりをできるようになった時、身体的に一つの大きな階段を登ったのだということがよくわかり、「子育てはここまできたんだ」と思った。
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