2020最後にコロナについて思うこと

2020年はコロナウィルスによって、人と人との絆が非常に制限された年だった。冬になってから感染者が増えてしまったせいで、東京都知事から、いつも会っている人と会う正月にしなさい、という発言が飛び出してしまったので、帰省さえできなくなってしまった。80歳になる父から、今は「来ないでほしい」と言われてしまったのである。母は薬を飲むのも嫌い、医者嫌いな人であるが、父は薬が大好きで、医者の言うことは絶対、と思っているようなところがある。母は特に、娘や孫と会うのを楽しみにしているので、非常に残念である。私たち以外にも、今年は地方への帰省はしない、という話をたくさん聞いた。一年に1回の帰省を楽しみにしている年老いた両親の元へ行くことができないことが、お互いどれほど悲しいことか。

東京では今、ちょっと喉が痛いとか、少し熱がある、というだけでも、学生は学校へ行くのをストップされ、受診させられる。そして普段ならそれくらい寝て治すのであるが、仕方ないのでクリニックを受診すると、そのままPCR検査されてしまうことがよくある。そして、あら不幸にもプラス、という結果になると、クリニックや学校はすぐさま保健所へ連絡、保健所から本人宅へ電話が入り、行動履歴をチェックされる。そして濃厚接触者を特定され、濃厚接触者とされた人は2週間自宅謹慎となる。本人は本人で、ちょっとした風邪症状だけでピンピンしているのに入院しなければならなくなる。学校は保健所と協力して、本人が接触した人や場所の特定や消毒を完了するまで、即座に学校への立ち入り禁止となる。このような状況で授業は急にzoomを利用した遠隔授業になったり、中止や延期、別の形をとっての実施となっている。テキストと講義だけで済むような内容の勉強であれば、そんなに大きな影響はないかもしれないが、現場で実際にやらないと勉強にならない内容のものは世の中には沢山ある。2020に現場実習をするはずだった職業専門学校の多くの学生が受けている学びの制限は、一体いつ取り返すことができるのか、皆目検討がつかない。

コロナウィルスの状況はどうかと言うと、政府やマスコミが騒ぐのをやめて世間の関心が薄れて来ない限り、この状況は変わることはないだろう。しかし実はコロナ風邪にかかるのと、インフルエンザにかかるのと何が違うのかというと、はっきり言って、決定的に何かが違うと思えない。インフルエンザだって、年によっては非常に強力なものがあり、体の弱ったお年寄りや乳幼児、障害者はそういう年は命の危険が多くあるのだ。インフルエンザもコロナウィルスも、喘息持ちの人やタバコを吸うなどで肺が弱い人や、糖尿病や心臓病の持病がある人は弱い。それは当たり前のことあって、日本社会がいかに、日頃から「生物としてのヒトの死」を忘れて生きているかを思わざるを得ない。相手がコロナだろうと、インフルだろうと、ガンだろうと、糖尿病だろうと、日頃から予防のための努力をすることが最も大事なことだと思う。かかってしまったら、自分の持っている体力や免疫力を総動員して、それに立ち向かうことしかできない。病気を治すのは薬ではなくて、自分自身の力なのだから。そして治すことができない時が、生物としてのヒトの寿命となる。

国民全体がマスクをしたおかげで、今年は普通の風邪やインフルエンザの感染が少なくなり、例年より風邪をひかない、と喜んでいる人は多い。しかしこれは、ある意味来年以降は怖いということを示している。なぜなら、人間はちょっとした風邪を引いたり、体調を崩すことによって免疫機構を鍛えているからだ。今年、常時マスク着用と、強迫的に色々なところを消毒し、手の消毒をした結果、我々の体の免疫機構は衰えてしまっている。ある程度雑菌の中で生活した方が、人は健康に生きていける。社会全体が無菌志向になってしまった今年のツケは、来年払わされることになる。その時こそ大きな打撃を被るということを、忘れては行けないし、今から体を鍛えて備えておく必要があると思う。

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病院勤務4年、医療通訳2年、保育園3年、重症心身障害児施設8年、医療系ITベンチャー、看護教官、訪問看護師のキャリアのタマヤワが、育児・看護・介護について新しい視点から言葉にします。効率重視の社会の狭間に落ち込んでいる人々に目をむけ、弱いものに生きやすい社会を目ざします。資格等:看護師/保健師/養護教諭2種、タイ語医療通訳、キャリアアドバイザー、日本社会事業大学修士、toeic815点(2023)

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